この色褪せた道路標識は、草原に埋もれるようにして、今も立っています。そこには、たしかにかつてクルマが行き交う道路がありました。もちろん、埋もれている標識はこれだけではありません。道路上にあったセンターライン、制限速度をあらわす道路にペイントされた細長い数字も見て取れますが、それは大部分が既に土や、草の侵食の下に埋もれつつあります。
この写真で、アスファルトが見えるのは、右の対向車線だけです。左側の走行車線は草に埋もれてみることができません。左の車線の上にあったはずの案内標識が残っていました。
センターラインの左側、走行車線が完全に埋もれてしまっているのがわかります。残ったアスファルトもいつかは土の下に埋もれてしまうでしょう。路側帯にあった背の低いポールは、大部分が朽ちています。金属製の標識もいずれは朽ちてしまい、斜めに傾(かし)いだ状態で土に埋もれてしまうのでしょう。ずいぶん昔に見たある映画のラストシーンに見た砂に埋れた「自由の女神像」のように。